ドボクなモノを見に行った

土木じゃない物も見つけてきた

重要文化財の備前渠鉄橋もさることながら、付属の赤煉瓦のアーチ橋もなかなか

明治28年に建設された備前渠用水に架かる備前渠鉄橋は、赤煉瓦生産に関わる近代化産業遺産群の一つであり、「日本煉瓦製造株式会社旧煉瓦製造施設」として国の重要文化財でもある

新型コロナウイルスで外へ出かけるのが憚られるなか、やっとパソコンの画像を整理する気になった

 

深谷市の上敷免には、渋沢栄一らが設立した日本煉瓦製造株式会社があり、ここで製造された赤煉瓦は深谷駅まで日本煉瓦製造の専用鉄道線で輸送されていた。

 

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工場跡地には、ホフマン輪窯6号窯や、旧事務所、旧変電所などが重要文化財として保存されている。

 

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この日は閉館してたから「また今度来よう」って軽く流したけど、壁越しではなくちゃんと見ておけば良かったとチョット後悔

 

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でも、この時の目的は国の重要文化財の一つ、備前渠鉄橋

 

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赤煉瓦の橋台とI型鋼板を橋桁にする1スパンで全長15.7mのポーナル型プレートガーター橋

 

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下に流れるのが備前渠用水。これも埼玉県最古の用水路で、なかなか見どころが盛沢山の場所である

 

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備前渠鉄橋の設計者は、明治政府が招いた「お雇い外国人」の一人、イギリス人鉄道技師チャールズ・アセトン・W・ポーナル

ちょっと残念だけど歩道に改修された際、橋面はレールを外されアスファルトで舗装されて(しまって)いる。このレールは工場跡の資料館に残っているらしいから、やっぱり行っとけば良かったって(笑)

 

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そう、こうして見ると「なあんだ、近所の歩道橋と大して変わらん」と思うかもしれないけれど、明治の頃にポーナル型と自分の名前が付くまでこの桁を標準化して各地に残している功績は大きい

そして、ポーナルは、群馬県碓氷川に架かる日本最大級の煉瓦造り4連アーチ橋、碓氷第三橋梁(めがね橋)の設計者でもある。もちろんこれも国の重要文化財

本当は、ここで碓氷第三橋梁の煉瓦造りアーチ橋の写真をバーン!と入れたいところだけど、私あの橋梁直で見ていないし、しばらくは行けそうにないし、無理っぽいし

 

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まあ、碓氷第三橋梁の4連煉瓦アーチ橋は次回の楽しみにしておくとして、この時は看板にある「分岐する用水路に架けられた煉瓦アーチ橋は~」を眺めて喜んでいた

 

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このアーチ橋も「日本煉瓦製造株式会社旧煉瓦製造施設」として備前渠鉄橋の「煉瓦造単アーチ橋付属」として重要文化財指定されている

 

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付属扱いだけど、アーチリングは4重の「長手積み」、橋台部は「イギリス積み」、笠石のある翼壁にも煉瓦が使用されている

 

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このアーチ橋もポーナル設計かどうかは定かでない。いやたぶん違うであろうけど煉瓦のアーチ橋はとても綺麗