伝統的河川工法水制工甲州流川除け法牛枠類聖牛の中聖牛
山梨県釜無川信玄堤にある水制工には、武田信玄の時代から伝わる伝統的河川工法で甲州流川除け法牛枠類聖牛のうちの中聖牛が設置されている
伝統的河川工法とは、現在のようにコンクリートではなく石や木材を使ったり、大型の重機もなく人力で造るしかなかった頃の河川工法
これらの工法が優れているのは、自然環境面、生態系への負担が少なく、景観にもその場所に「馴染む」ものであり、そして何よりも自然の力を利用する観点をもっているところ
で、その工法の一つがこの「聖牛」
今回は、仕事でこの付近の河川施設を調査に来たのでちょっと寄ってみた
信玄堤と聖牛は、併設する信玄堤公園に20台ほどの駐車場と四阿あるので、昼休みにベンチに座って釜無川を眺めながら昼食を食べることができるので、仕事の途中でも寄りやすい
この辺りは釜無川へ御勅使川が合流する場所なので、信玄堤や聖牛の他にも高岩、将棋頭、一番・二番出しなど伝統的河川工法のオンパレードとなっている
そこまで苦労して治めなければならない場所なので、防災的な伝統的河川工法の他に川の水を取水して利用する用水施設なんかも多くある
御勅使川(みだいがわ・・・最初読めなかったw)の将棋頭もちょっと見てみたい
信玄堤も聖牛も比較的メジャーな伝統的河川工法なんだけど、今でも河川内に設置されている所は少ないと思う
大聖牛、中聖牛、聖牛と大きさで分類されるなかで、ここに設置されているのは棟木(牛の背骨?にあたる)が7m程の中聖牛
足元を固定している石をつめた円筒状の重り籠は「蛇籠」(じゃかご)
これを重しにして洪水がきても流れていかないようにしている
聖牛などの水制工は、これを並べて洪水の勢いを落としたり方向を変えたりして、一番重要な堤防を守っている
聖牛も、よくよく見てみると牛って言うより背中に交差した「合唱木」がステゴサウルスの背中の板や尻尾の棘っぽい(笑)
調べるとステゴサウルスの体長も7m程だから中聖牛と同じ大きさ
聖ステゴサウルス、聖剣竜・・・・この辺の地名も竜王だし(笑)
ここには木製の中聖牛が3基も現役で活躍しており、コンクリート柱で作った聖牛まで残っている
ずっと写真を撮りに行こうと思いつつも、なかなか機会がなかった。
以前出した本で「聖牛」を紹介したときは、イラストや写真素材の購入で胡麻化した苦い思い出がある。
あの時は仕事の合間に原稿を書きながら、近場で聖牛の写真が撮れるところがないかって、探して行ったのが多摩川の羽村取水堰でこの写真。
写真がヘタクソなのは大いにあるけど、流石に展示物と実際に使用されている物とでは比べものにはならない。
この写真を聖牛の資料として編集者に送ったら黙殺されたのもよくわかる。
聖牛の写真がヘタクソな事で羽村取水堰を云々するわけにはいかないので、江戸時代から伝わるこの美しい「投渡堰」を!
羽村取水堰もまた見に行こ(笑)