ドボクなモノを見に行った

土木じゃない物も見つけてきた

閘門橋の不思議感

閘門橋、そもそもこの名称からして不思議な感じ

元々は「弐郷半領猿又閘門」って名称があったのに、それを「閘門橋」って改名されている

例えば、「東京スカイツリー」の名称をただの「電波塔」に変えるみたいなもの(でもないかw)で、行く前から少し違和感があったんですよねぇ(笑)

 

 

閘門橋の付近で駐車場を見つけられなかったので、ちょっと離れた水元公園の駐車場に車を停めて、猿町口まで歩いて行くと閘門橋にたどり着く

閘門橋を見て、ノンビリ往復したら駐車料金は400円程の距離 

 

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水元公園の猿町口を出るといきなり「不思議」なモノが並んでいるのが目に入る

河童、猿、人のモニュメント?

 

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テーブルには北を指す鳥、方位盤か・・・

 

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ストーンサークルか?

 

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ベンチには河童のタイルがはめ込まれている

よく見ると、右が青の河童で左がピンクの河童。アベック用のベンチだろうか?

 

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閘門橋の親柱には、どこかの家紋なのか、それとも宗教的シンボルなのか

赤い炎の剣、ユダヤ教の7分岐燭台?、イスラエルの国章か?

 

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街燈にもあのシンボルが・・・

 

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あれが何を意味するのか全く分からないけど、バルコニーには巨大な渦巻きのオブジェが設置されている

そして欄干にもあのシンボルが

 

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????? う~ん、何なんだこの不思議なモノの多さは、何かの陰謀が隠されているのか(笑)

 

明治42年竣工の煉瓦造水門としては「土木学会選奨の土木遺産」で貴重な施設なんだけど、この不思議モノの違和感が邪魔をして何も入ってこない(苦笑)

 

 しかし気持ちを切り切り替え、上流側へ廻ってみると流石に土木遺産、この堂々とした存在感!(残念ながらバルコニーから右岸側は後年の増設だけど)

 

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左岸側、竣工年を刻んだ石造りの銘板は遠くてよく見えないけど、綺麗な「イギリス積み」(長辺と短辺が一段毎に違う)煉瓦造の3連アーチ、このアーチは下流へいくと5連になる

 

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右岸側、後で増設された1連アーチ

少し残念なのは、煉瓦の積み方が明治42年に造られた本体のような「イギリス積み」ではなく「長手積み」(全て同じ方向で表面には長辺しか見えない)にされており、アーチ内にコンクリート壁が見える事かな

 

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このバルコニーも後で増設されたものだと思う

構造が不自然で煉瓦の積み方が「長手積み」だし、装飾過多(笑)

 

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下流側に廻ってみると、堰柱の上にブロンズ像が二体設置されているのと、奥にバルコニーと異様な渦巻きのオブジェが見える

今では「閘門」って言うと運河などで水位調整をして船を通す施設だけど、昔は水門と混同されて使われている

ここも機能としては「水門」

 

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上流側は3連アーチだったけど、下流側は5連アーチになっている。この途中で連数の変わる構造は、埼玉県に残っている煉瓦造の水門でよく見かける

ブロンズ像の後ろには石の銘板に「弐郷半領猿又閘門(にごうはんりょう さるがまた こうもん)と刻まれている

だけど、ここの名称は「閘門橋」

 

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堰柱の上のブロンズ像は、洪水時に堰板をはめ込む様子を表しているらしい

中央のアーチの上には特別な装飾を施された欄干と「閘門橋」の銘板

 

 

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欄干の下、煉瓦が4段色が違う

これは、あの装飾過多な欄干部を増設するときに積んだもの

これ、煉瓦の積み方が違って「長手積み」になっている。ここは本体と同様に「イギリス積み」で増設してほしかったな

 

この増築のバルコニーも特徴的なんだけど、個人的には不自然で好きじゃない(笑)

 

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改めて説明板と土木学会の選奨土木遺産プレート

説明板の1列目に色の変わったところがあり「東京に現存する唯一の貴重な橋」から「唯一の」が削れている

東京都にも他に煉瓦のアーチ橋はあるからねぇ

 

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これ、読みながら考えていたんだけど

木構造物って、その場所に必要とされて造るもんなんです

多くの人が苦労して色々な工夫をして、その場所に合ったものを作るから同じ構造物でも場所ごとに構造形式も大きさも違う、使用する材料も違う、色さえも変わってくる

だから、その場所の地名やその地域を象徴するような名前を「付けたい」って考えるし、100年も前に作られた施設でも愛着をもって維持管理されるって考えているんですよ

まったく、

閘門橋(旧二郷半領猿又閘門)・・・・旧ってなんだよ、「二」は「弐」だよ(泣)

 

閘門橋、ゴチャゴチャと後付けで過剰な装飾が多すぎるし、殆どが意味不明。名前まで変えられて微妙な出来のイミテーションっぽく感じる

なんだか都会に行った娘が妙な男と一緒に帰ってきて、派手な似合わない格好をさせられているイメージだな、想像しただけで大泣きだよ!