暗渠の車止め「金太郎六人衆」と「三匹の熊」
杉並区の暗渠には「金太郎の車止め」が数多く設置されています。
昭和50年頃からの設置だと聞きましたが、その存在は認識しつつも「いつもの変わらぬ風景」化してしまい、それほど気にも留めていませんでした。でも、最近、錆びて落書きされた金太郎の車止めが撤去され、ピカピカの車止めに変わっているのを見て、何度も立ち止まるようになりました。
杉並区をブラブラ歩いていると、意外と起伏が多い事に気が付きます。いたる所に坂があり、上ったり下ったり。そんな坂道の先には雨水が集まり、排水路が設置され「彼」が熊に乗っていたりします。
宅地化や農地の減少にともない撤去された用水路、蓋がかけられた排水路は、遊歩道として利用され、姿を変えてその面影を残しています。
そんな「独特の雰囲気をもつ遊歩道」を散策していると、「旧井草川」の文字、橋の跡を示すモニュメントなどを見つける事が出来ます。
親柱的なモニュメント?「瀬戸原中橋」の文字
遊歩道から一般道に出るところには、「金太郎が熊に乗ったイラストの車止め」(写真右でポツンと浮いているやつですw)が設置されています。
この金太郎、最近は老朽化が激しくステンレスの車止め(写真中央に並ぶやつ)に随時取り替えられています。
一部の人達に惜しまれつつ、金太郎の数はどんどん減ってきています。
一部の人達。地元住民、暗渠マニア、この手の愛好家のあいだでは有名な、知る人ぞ知る「金太郎の車止め」。無駄に撮り溜めた写真をよくよく見て、現時点で私が知る限り金太郎は6人、熊は3匹です。
という訳で、暗渠の車止め「金太郎六人衆」と「三匹の熊」
勝手に「六人衆」なんて言っちゃってますけど、まあご愛嬌ということで
まず1人目、細面でアーチ眉、優男タイプの金太郎
1匹目の熊
設置数が多いんでしょう、割とよく出会うタイプです
2人目は丸顔に太眉、ぽっちゃり顔の金太郎
1匹目と同じ熊
これは数が少ないですね。いつも出会う金太郎と違う丸顔を見つけて、初めて金太郎が何人もいるんだと認識しました
3人目は、細面で山型眉、何だか不機嫌そうな金太郎
おそらく1匹目と同じ熊
金太郎が何人もいるって事が分かっていなかった頃、ずっとスルーしていました(眉の形に気が付かないなんてチョットショックデシタネ)
4人目は、丸顔でクリッとした目と団子鼻が特徴。愛嬌のある金太郎
赤い口の2匹目の熊
金太郎も他とは趣が違うし、熊にもバリエーションがあるって分かり、これを見つけたときは嬉しかったですね(笑)
5人目は、細面で山型眉、しゃくれアゴ気味で黒目に白い点がある金太郎
3匹目の熊は二重まぶた(?)
金太郎はそう言われてみると、そうかなぁ~って感じですが(笑)、かろうじて残った熊の目が可愛い!
6人目は、丸顔のアーチ眉、ちょっと上品な面持ちの金太郎
おそらく1匹目と同じ熊
輪郭は丸顔、眉や口などのパーツは細面。丸顔の金太郎のほうが古いと言われていますから、丸顔から細面に変わるミッシングリンクなのかも(笑)
どうでしょう?
六人衆と三匹の熊、違いがわかりましたか(笑)
では、改めて6人と3匹を並べてみます
やっぱり微妙ですかねぇ(笑)
これ、もとのイラストは同じらしいんですが、設置する年度によって施工業者が変わり、描くニュアンスが変わっているようです。
御興味のあるかたは「すぎなみ学倶楽部」さんや、暗渠好きな方のブログとか、ネットで検索すると結構出てきますので是非!(詳しく解説されています)
これらの「金太郎の車止め」は、いずれ全て無くなってしまうのでしょう。
残念な気持ちはありますが、同じような金太郎のデザインで新しく作り直してほしいとは思わないんですよね。
こういうのって、その時々に必要とされているものであって、その役目が終わったら消えていくものだと考えます。ずっと見ている一人としては、これを記憶にとどめて、時々話題に上がって「なくなっちゃったねぇ~」って感じで懐かしむ。それで良いんだと思っています。
正月明けから何か月も休む暇もなく、寝る時間も削られ、夢で仕事をする技も習得しました。夢で計算ミスを見つけて、本当にそこが間違っていたんときは末期だと感じましたね。
そんな年度末もやっと終わりました。後遺症(工期に間に合わない夢をまだ見ます)は残りますが、人間らしい生活が再スタートします。いやぁ~桜は散っちゃったけど春ですね!
それではまた、見に来ていただきありがとうございます。