六郷水門、猫耳ゲートと煉瓦造りの水門
六郷水門。京浜急行電鉄本線の雑色駅から水門通り商店街をまっすぐ多摩川へ歩いて行くと、船溜まりのような六郷用水路の跡、南六郷緑地に出ます。
緑地から多摩川の堤防を眺めると、煉瓦造りの堰柱を持つ六郷水門と六郷排水機場を見つけることができます
そして、鮮やかな青に塗装されたゲートの頭に何故か猫耳?
昭和6年竣工の六郷水門は、六郷用水の末端に設置された排水用の水門です。増水時にはあの猫耳の付いたゲートを閉め、多摩川から逆流を防止する役割を持っています。
正面に見えるのが、左右に羽を開くような煉瓦の翼壁と青い猫耳ゲート
右岸側には腰壁辺りまでのコンクリートと煉瓦造の壁、妻壁の三角は水門と同じ塗装色、窓のサッシにいたるまで同系色で塗装されています
時代を重ねる構造物って、この辺りの細かい気配りがされているんですよね
好きだなぁ
排水機場を見ると、ポンプの吸込み管が1基分だけ残っています。
ポンプの形式は何だろう?
あの位置に吸い込み管があるってことは両吸込み渦巻きポンプかな?
もっと近くへ寄れないかなぁ・・・
排水機場は数多く設計しているので、独りで盛り上がっていましたw
職業的な興味から図面が見たいですね、無いなら趣味で書きたいです(笑)、CADなんかじゃなくドラフターで。KIMOTOの青い製図用マイラー200番の四隅をマグネットでとめ、STAEDTLERのホルダー芯をバケツみたいな青い芯削りでグリグリ回してからオモムロニ水門の中心線を多摩川の堤防法線と直角に入れる、などと多摩川の堤防を見上げてニヤニヤ妄想が止まりませんでした(恐らく通報級の不審者だったでしょう)
排水機場の周りを指をくわえながら眺めた後は、多摩川の堤防に上がります。猫耳ゲートもさることながら、丸みを帯びたコンクリート門柱のデザインもかわいい六郷水門
猫の手をイメージ・・・しない、しないw
この猫耳もデザイン? んなワケはないんでしょうね(笑)
おそらく、門柱の戸当り仕込まれているチェーン式開閉装置の保護でしょう。ゲートが閉まった時に、あの耳の位置に巻き上げのドラムか何かがあるんだと想像します
銘板も趣があります「六郷水門 昭和六年三月成」の文字は右書き
外灯のデザインも好感がもてます。ゲートは比較的明るい青ですが、この色って清洲橋の色に似ています
清洲橋の塗装色は、「青って言えば」いいんでしょうけど、ここは「紫を帯びたくすんだ青の花紺青」、スマルトです。あえてマンセル値で言えば5PB4/6です
多摩川の堤防を下りて六郷水門の正面へ
何だかデッカイ猫ちゃん椅子のようだ(笑)
あの秘密基地のような、肘掛の所はゲート開閉用の操作室でしょう
堰柱の煉瓦造りは、他のHPや資料によると「金森式鉄筋煉瓦」という方法で強度を上げているそうです
積み方はイギリス積みですね
角部に石を積む方法はデザイン的にも好きで、煉瓦造の構造物でよく見ます
もう流石、ユーモラスな存在感ですw
このゲート、全開だから「落ち着いて」見えますけど、全閉になったら(ゲートが下がって両脇の門柱だけがニョキっと飛び出た感じになって)面白いでしょうねw
ごめんなさい。水門の周りをウロウロしていると、本物の猫が迷惑そうに移動されました(笑)
欄干も凝っていて「郷を口が囲む」のデザイン。これは旧六郷町の町章らしいです
一時間以上ウロウロしていると、公園側から船が出てきました
ラッキー!
いいですね、この水門も現役って感じ!
楽しい六郷水門でした! 因みに六郷水門は土木学会の選奨土木遺産です・・・プレート見なかったなぁ
余談ですが、南六郷緑地には六郷水門らしきトイレがあります。
勿論、猫の耳も(笑)
色々鬱屈していましたし、仕事も今のうちに目途をたてないとマズくなるなぁ、なんて考えているとイマイチ気分が乗らず、結局職場を素通りしてブラブラ遊びにきてしまいました
来てみると、天気も良かったので気分転換になりましたし、元気も出てきそうです
六郷水門ありがとう!
それではまた、見に来ていただきありがとうございます。